身寄りのない単身世帯の方が亡くなった場合、地域の人たちとのつながりがあり、日常的に交流していれば、誰かが早期に発見し、葬儀を執り行ってくれることもあります。このように遺族でない人が葬儀を行った時には、故人の相続財産管理人が管理している財産から、葬儀の費用を返還してもらえることがあります。
一方、亡くなった高齢者が地域に密着しておらず、何らかのコミュニティにも参加していない場合は、死後の発見に時間がかかることがあります。その場合、葬儀は死亡地の市町村長が行うことになります。身寄りのない故人の遺骨や遺品はほとんど引き取り手がないため、しばらく(5年ほど)保管された後、遺骨は無縁墓に埋葬されます。
元気なうちにやっておくべきこと
周囲の人と関わりを持つ
一緒に暮らす家族がいない場合、周りの人との関わりが命綱になることがあります。例えば、具合が悪くなって倒れた時に、たまたま訪ねてきた近所の人に発見され、大事に至らないこともあります。
そこで、困った時に気兼ねなく頼れるように、日頃から周囲の人とコミュニケーションを取ることが重要です。知り合いとのおしゃべりは気分転換にもなり、「明日は何をしよう。何を話そう。」という意欲も湧きます。
また、隣近所やボランティア活動、公民館でのサークル活動、市民大学講座、料理教室など人が集まる場所に継続的に顔を出すことも良いでしょう。
行政のサービスについて調べる
一人で抱え込んでしまうと解決が難しいことも、地域の行政に相談してみると良いでしょう。特に地域包括支援センターは、高齢者からの様々な相談を受け、その解決のために必要な制度やサービス、機関を提案し、詐欺や虐待などから高齢者を守る取り組みを行っています。さらに、高齢者が快適に生活できるように、地域にネットワークを形成し、多岐にわたる相談にも無料で対応しています。高齢者自身だけでなく、身内や親しい人に不安がある方も、まずは連絡を取ってみると良いでしょう。
任意後見制度を利用するたとえ現在は元気で自己の財産を管理できると自信を持っているかもしれませんが、年齢を重ねるにつれて、誰しもが正確な判断を下すことが難しくなる可能性があります。そのような状況になる前に、将来の財産管理や高齢者本人のケアを委ねたい場合、任意後見制度を活用することが可能です。
この制度は、高齢者本人と将来の任意後見人となる受任者との間の契約によって成立します。しかし、実際に任意後見人が任命されるのは、高齢者の判断能力が低下した時点で、受任者が家庭裁判所に後見開始の申立てを行った後です。任意後見人は財産を適切に管理し、高齢者を貧困、詐欺、悪徳商法などのリスクから守る役割を果たします。
葬儀の事前準備
身寄りがない方が亡くなる場合、生前に葬儀社と契約するプランが存在します。自分が亡くなった後にどのような葬儀を行いたいかを葬儀社と相談し、契約を結びます。料金は弁護士や信託会社が管理する方法です。もし菩提寺がある場合は、納骨を依頼し、住職に契約内容を伝えておくことで、葬儀がスムーズに行われるでしょう。
生前整理
身寄りがない方は、健康なうちに生前整理を行うことが望ましいです。自分が亡くなった後に他人に見られたくないものは処分し、本当に必要なものや大切なものだけを残すことが重要です。身の回りを整理することで、新しい活動を始める意欲が湧くかもしれません。一人で整理が難しい場合は、専門業者や葬儀社に依頼することができます。また、土地や家などの財産に関する生前整理については、税理士や行政書士が相談に応じてくれます。
遺言書とエンディングノート(終活ノート)の作成
エンディングノートとは、自分の死に備えて希望を記録しておくノートです。一方、遺言書は、財産分与に関する遺言者の意向を法的に有効な形で記した文書です。身寄りがない人が亡くなった場合、相続人がいないことが多いため、遺言書やエンディングノートが不要に思われがちです。
しかし、例えばアパートで一人暮らしをしていた場合、その部屋の整理は大家にとって負担となります。大家に迷惑をかけないためにも、エンディングノートには自分の希望や依頼内容を記載しておくべきです。誰にその実行を依頼するかは、遺言書で指定します。
終活の相談なら埼玉金周にご相談ください
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